エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

エルサレムは世界屈指の古都であり、3つの宗教の聖地として複雑な歴史を歩んできたことで知られています。当サイトでは6ページに渡って特集しておりますので下記からご覧ください。こちらのページは「エルサレム③城壁の門と神殿の丘」になります(^^)

 

 

「エルサレム③城壁の門と神殿の丘」:目次

 

 

旧市街のつくり

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁
photo by:Obendorf

 

3つの宗教の聖地であるエルサレム旧市街は全長4.5kmの城壁で囲まれています。城壁の上は歩けるようになっていて、11の門と43の見張り塔があり、その内部は4つの地区と「神殿の丘」に分かれています。このページでは「城壁の門」と「神殿の丘」についてご紹介します。

 

歴史を知っていた方が理解が深まるので、ご存知でない方は先に「エルサレム②歴史の基礎知識」をご覧ください(^^)

 

 

神殿の丘

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

「聖地の中の聖地」と呼べる、エルサレムでも特に神聖な場所です(,,゚Д゚)

 

紀元前21世紀頃に「最初の預言者」と言われるアブラハムが神様と契約を交わしたとされる場所で、紀元前11世紀頃、イスラエル王国のソロモン王が神殿を築いたのがはじまりとされています。ちなみに、アブラハムの子孫をヘブライ人と呼び、これが後にユダヤ人と呼ばれます。

 

■「エルサレム包囲戦 A.D.70」
「エルサレム③城壁の門と神殿の丘」徹底ガイド 【旅の大事典】

 

その後、神殿は破壊と再建が繰り返されますが、西暦66年にローマ軍によってほとんど破壊されてしまいます。このときに唯一残ったのが西側の壁でした。同時に、ユダヤ人は神殿の丘への出入りを禁止されたため、ユダヤ人達は西側の壁に祈りを捧げるようになりました。これが有名な「嘆きの壁」です。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

ユダヤ教徒にとって最も神聖な建物(の一部)なので、ここがユダヤ教の聖地になっています。画面をグルッと回して周囲を見てみてください。

 

 

ただ、丘の中は完全にイスラム教の聖地です。中に入るとイスラエルのシンボルでもある「岩のドーム」が登場します。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

692年に完成したドームで、モスクと思っている方も多いと思いますがモスクではありません。言うなれば「聖なる岩をまつるために建てた記念堂」です。中はイスラム教徒以外立ち入り禁止です。天上の装飾なども素晴らしいので必見です。

 

 

この巨岩は、元々は上記のアブラハムが神様からのお告げを受けて、息子を生贄に捧げようとしたとされる場所です。なので、紀元前21世紀からの長きに渡ってユダヤ教徒の聖なる岩でした。

 

しかし、すでにユダヤ人がエルサレムに立ち入れなくなっている6世紀に、イスラム教の始祖であるムハンマドが、大天使ガブリエルが遣わした天馬によって、この岩から天にいる神・アッラーのもとへ昇天したとされています。

 

「エルサレム③城壁の門と神殿の丘」徹底ガイド 【旅の大事典】

 

これらにより、イスラム教においてエルサレムは、サウジアラビアのメッカにある「カーバ神殿」、同じくサウジアラビアのメディナにある「預言者のモスク」に次いで3番目の聖地となりました。岩には「ムハンマドの足跡」や「大天使ガブリエルの手の跡」とされるものが残されています。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

岩のドームの向かいには「アル・アクサ・モスク」が造られています。中に入ると・・・

 

 

横になっている方が多いですねΣ(・∀・;) 祈りの時間以外はラフに過ごせるようです。神殿の丘自体も気持ちの良い公園のようになっているので、観光客もノンビリくつろぐことができます。画面をグルっと回して周囲を見てみてください。

 

 

世界のモスクについては「世界のすごいモスク総特集」をご覧ください。

 

 

城壁の門

城壁は全長4.5km、厚さは約3mにもなり、高さはマチマチで5~15mほどです。古くは紀元前11世紀のソロモン王の時代に造られましたが、やはり破壊と再建が繰り返され、現在の城壁は1538年に建設されました。

 

現在開かれている門は7つで、それぞれに名前がついていて観光スポットになっています。(東の黄金門は閉ざされています)

 

 

西部中央に位置する門で、現在のテルアビブの南にあった港町「ヤッフォ」から送られる荷物が運び込まれていました。L字になっていて、敵が攻めづらくなっています。1898年に拡張されて車が通れるようになっています。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

この門から北と南に向かって城壁の上を歩けるようになっています(^^) 一周は出来ないので突き当りに達したら戻ってきます。「Rampart Walk」と呼ばれていて、常に全てのルートを歩けるわけではありません。そのときのエルサレムの状況で、両方を歩けるか片方だけか、または完全に閉鎖されているかが変わります。料金はいずれにせよ16シェケルです。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

北西部に位置し、1889年にキリスト教地区へのアクセスをしやすくするために造られました。7つの中で最も新しいので新門と呼ばれています。第3次中東戦争までは、ここがヨルダンとの国境でした。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

北部中央に位置し、7つの中で最も美しく賑わっている門です。門をくぐるとバザールが広がっていて、そのまま南にまっすぐ歩くと聖墳墓教会につながります。賑わっているので、スリなどに注意してください(^^;)

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

北北東に位置し、イエスに洗礼を施した洗礼者ヨハネの首をはねたヘロデ・アンティパスの家が近くにあったことから名付けられました。別名「花の門」。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

東部中央に位置する門で、一対のライオンのレリーフがあることから名付けられました。門の外にはイエスの足跡(そくせき)が多く残された「オリーブ山」があり、門の内側は「悲しみの道(ヴィア・ドロローサ)」につながっているため、キリスト教徒がここから入ることが多いです。

 

伝説によれば、16世紀にエルサレムを支配していたオスマン・トルコのスレイマン1世が、夢の中でライオンから「城壁を造って民を守らなければ、お前の父親セリム1世を食べてしまう」と言われて城壁を造ったとされていますΣ(゚∀゚ノ)ノ

 

ここからライオンはエルサレムのシンボルになりました。別名「聖ステパノ門」。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

南西部に位置する門で、外側には「ダビデの墓」などがある「シオンの丘」があります。そのため「ダビデの門」とも呼ばれています。アルメニア人地区に行きたいときに便利です(^^)

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

南部に位置し「嘆きの壁」に一番近い門です。昔はここから排泄物が運ばれたため、このように呼ばれています。唯一大型車が通れる門です。

 

エルサレムの神殿の丘と嘆きの壁

 

東部に位置し、現在は閉ざされていますが、かつてイエスがロバに乗ってエルサレムに入ったときの門と言われています。神殿の丘に隣接する最も神聖な門であり、3つの宗教全てが「黄金門から救世主がエルサレムに入ってきて、そのとき世界は平和になる」としています。

 

16世紀にオスマン・トルコが救世主の降臨を防ぐために閉鎖してしまいましたが、今も人々はそれを信じていて、まさに聖書の世界が今も続いている場所といえます。

 

 

以上になります(^^) 続きまして下記から他のページをご覧ください。

 

エルサレムは日本語で予約出来る現地ツアーも多くあります。詳細はこちらからご覧ください。

「エルサレム③城壁の門と神殿の丘」徹底ガイド 【旅の大事典】

 

 

世界のすごい城壁都市

都市単位でピックアップしているので、城・要塞・ロシアのクレムリンなどは含めておりません(^^)

■サナア(イエメン)

サナアは世界最古の町の1つとされていて、昔から旅人の中で「城壁をくぐった途端にアラビアンナイトの世界になる」と言われてきました。詳細は下記からご覧ください。

「サナア」徹底ガイド

■チェスター(イギリス)

ウェールズとの境にある街で、極めて保存状態が良い城郭都市として有名です。チェスター様式の建物が並ぶ「ザ・ロウズ」は、映画の世界に入ったようでオススメです。詳細は下記からご覧ください。

「ザ・ロウズ」徹底ガイド

■ルッカ(イタリア)

壮大な城壁に囲まれた街で、日本では「進撃の巨人」の世界観に似ていると人気です。詳細は下記からご覧ください。

「ルッカ①アクセスと城壁」徹底ガイド

■ヒヴァ(ウズベキスタン)

中央アジアは城壁によって「イチャン・カラ(内城)」と「デシャン・カラ(外城)」に分けられることが多く、ヒヴァのイチャン・カラは最も有名な場所として知られています。詳細は下記からご覧ください。

「ヒヴァ①アクセスと概要」徹底ガイド

■ドブロブニク(クロアチア)

「アドリア海の真珠」と称される美しい街で、旧市街は世界遺産に登録されています。詳細は下記からご覧ください。

「ドブロブニク①アクセスと城壁」徹底ガイド

■カルタヘナ(コロンビア)

コロンビアの有名なリゾート地で、旧市街がグルっと城壁に囲まれています。出入り口はフォトジェニックな時計台で、この内外で治安が変わるので注意が必要です。詳細は下記からご覧ください。

「カルタヘナ②観光の見どころ」徹底ガイド

■ルツェルン(スイス)

スイスでも屈指の美しい街で、元々は街全体を囲んでいた「ムゼック城壁」が900mほど今に残されています。詳細は下記からご覧ください。

「カペル橋」徹底ガイド

■ローテンブルク(ドイツ)

「おとぎの国」「中世の宝石箱」と称されるほどカワイイ町並みが人気で、全体が城壁で囲まれています。詳細は下記からご覧ください。

「ローテンブルク②町の見どころ」徹底ガイド

■カルカッソンヌ(フランス)

ヨーロッパ最大の城壁都市で、全長3kmにも及ぶ2重の城壁で囲まれています。詳細は下記からご覧ください。

「カルカッソンヌ②観光の見どころ」徹底ガイド

■マラケシュ(モロッコ)

旧市街のメディナが城壁に囲まれていて、たくさんの門が設置されています。詳細は下記からご覧ください。

「マラケシュ」徹底ガイド

 

 

観光の基本情報

航空便例 日本-エルサレム(約12時間半)
ベストシーズン 春と秋
外務省 海外安全情報 イスラエル
ガイドブック 中東のガイドブック
ビザ 90日以内の観光ならビザ不要
パスポート残存期間 入国時6ヶ月以上。未使用査証欄2ページ以上。
時差 夏:-6時間/冬:-7時間
チップ 基本的に不要
日本への電話 00(国際識別番号)と81(日本の国番号)をつけて、市外局番(東京:03など)や携帯電話の090などの最初の0を取る。

例)03-9999-9999へかける場合
00+81+3+9999-9999

現地で使えるヘブライ語 ①おはよう。

Shalom(シャローム)

 

②こんにちは。
Shalom(シャローム)

 

③こんばんは。
Shalom(シャローム)

 

④ありがとう。
Toda raba. (トダ ラバ)

 

⑤さようなら。
Lehitraot(レヒットラオート)

 

⑥はい・いいえ
Ken・Lo(ケン・ロー)

電圧とプラグ 220V

コンセントタイプ

通貨 シェケル(通貨コード:ILS、記号:₪)で、補助通貨は「アゴラ(Agora)」。1シェケル=100アゴラ。

 

日本大使館 HP

イスラエルの絶景一覧

イスラエルの絶景

 

アイコンをクリックすると「名前/写真/ガイド記事へのリンク」が表示され、リンクをクリックすると別ウィンドウで記事が開きます。グーグルマップを使用してリンクを貼っているため「リダイレクトの警告」が表示されるかもしれませんが、全て確実に当サイト内のリンク(http://tabinodaiziten.com~)なのでご安心ください。また、地図にアイコンが表示されていないときはページを更新してみてくださいm(_ _)m

 

■赤のアイコン
個別のガイド記事です。

 

■その他の色のアイコン
大都市など周辺に見どころが多い場所や、1つの国の中で同系統の見どころがあるとき、複数の見どころを1つの記事に集約していて、それらが同じ色のアイコンになっています。青、緑、紫…など様々な色がありますが、まとまりを分かりやすくしているだけで、色ごとに意味が異なるわけではありません。

 

スポンサーリンク