敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)は、洛陽の「龍門石窟」、大同の「雲崗石窟」と並び、中国三大石窟の一つに数えられています。内部の写真撮影が禁止されているのでスゴさがあまり知られていませんが、とにかく素晴らしい場所です。
「莫高窟」徹底ガイド:目次
グーグルマップを多用しているので通信環境の良い状態でご覧ください。マップの画面が黒くなっていたり、前後の文脈と合ってないなと感じたときは、ページを更新してみてくださいm(_ _)m
拠点の街は敦煌。砂漠の中にあるオアシス都市で、シルクロードの分岐点として古くから栄えた交易都市です。8世紀末になると衰退し放置されますが、そのおかげで古くからの遺跡や資料が良い状態で保存され、歴史学的に重要な土地になっています。人口は約13万人。
最寄りの空港は敦煌空港(DNH)。国内の7都市に就航しています。最新の就航路線はこちら。格安航空券はこちらです。空港から市内への移動については「鳴砂山と月牙泉:徹底ガイド」をご覧ください。
宿はこちら。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)
通貨は人民元(通貨コード:CNY/RMB、記号:¥)で、読み方は「Yuan」。補助通貨は「角(Mao)」と「分(Fen)」。1元=10角=100分で、本日のレートはこちら。
莫高窟は「完全予約制&ガイドツアー参加必須」になっています。中国人や中国在住の方はネットで予約が出来るのですが、海外の旅行者は予約できないため「莫高窟チケットセンター(敦煌莫高窟参観諮詢預約售票中心)」か「莫高窟デジタルディスプレイセンター(敦煌莫高窟数字展示中心售票处)」に行って直接チケットを購入するか、現地の旅行会社に行ってツアーに申し込みます。
■莫高窟チケットセンター
■莫高窟デジタルディスプレイセンター
「莫高窟デジタルディスプレイセンター」はグーグルマップだと表示されないのですが、バイドゥの地図だと表示されまして、上記の「強強商店(スーパーマーケット)」の位置で良さそうです(^^)
■バイドゥでの検索結果
どちらで予約しても、ツアーは「莫高窟デジタルディスプレイセンター」が出発地になります。アクセスはタクシーか「12路」のバスになりまして、バスは「敦煌賓館」というホテルの南側から出て、敦煌駅を経由し、終点の「莫高窟デジタルディスプレイセンター」へ行きます。
■敦煌賓館
・料金:8元
・30分おきに運行
・戻りの最終は18時発
莫高窟へのバスはこちら。
photo by:preston.rhea
莫高窟には「一般窟」と「特別窟」があり、ツアーでは「一般窟」のみを訪れます。ツアーは1日3回催行され、「特別窟」は別途入場料がかかります。
■営業時間
・5~10月:8時~18時
・11~4月:9時~17時半
■ツアー開始時間
・5~10月:8時半、11時半、14時半
・11~4月:9時、11時、14時
■コースと料金
①5~10月
・Aコース:238元、1日6千人限定、ビデオ2本+8ヶ所の一般窟
・Bコース:100元、1日2千人限定、4ヶ所の一般窟
・Cコース:50元、ビデオのみ
②11~4月
・Dコース:140元、ビデオ2本+12ヶ所の一般窟
・Eコース:100元、12ヶ所の一般窟
・Fコース:50元、ビデオのみ
■別途150元の特別窟
156/217/254/322
■別途200元の特別窟
45/57/158/220/275/321
■注意点
・パスポート持参
・大きなバッグなどは持ち込み禁止(入口で預ける)
・日本語ガイドは無料で予約可能
莫高窟は4世紀半ばから約1000年間に渡って彫り続けられた石窟で、中国三大石窟の1つに数えられ世界遺産にも指定されています。画面をグルッと回して周囲を見てみてください。
南北に約1600mも広がっていて、その中に492の石窟、2415の仏像、45000平方mに及ぶ色鮮やかな壁画など、世界最大規模の仏教美術が残されています。壁画は一列に並べると25kmに及ぶため「世界の画廊」とも称されます(,,゚Д゚)
ツアー客はメインの「96窟」の前で行列をつくって待つのですが、日本語ガイドを予約した場合、ここでスタッフにその旨を伝えて日本語ガイドを呼んできてもらわないといけません(^^;) ちなみに内部は撮影禁止です。
photo by:Dan Lundberg
エジプトの「王家の谷」や「アブシンベル神殿」の内部を思わせる素晴らしい壁画が並びます。実は莫高窟は、1372年に「嘉峪関」が設置された後は、関の外側にあったために長い間忘れられ放置されてきました。しかし、1900年になって「敦煌文書」が発見されたことで再び注目を集めます。
photo by:Kevin Walsh
敦煌文書は、王円籙(おう えんろく)という人物が、莫高窟で偶然発見したもので、唐代以前の貴重な資料が数万点に及び保存されていました。こちらは5世紀に書かれた「摩訶般若波羅蜜経」の絹本です。
王円籙は字が読めなかったため地方官に相談しましたが、何も重要視されず放置されましたΣ(・∀・;) しかし1907年になって、どこからかそれを聞きつけたイギリスの探検家オーレル・スタインがやってきて、わずか銀貨4枚で数千点に及ぶ資料をロンドンに持ち帰ります。ちなみに、彼はその功績により爵位を得ました。
翌1908年には、フランスのポール・ペリオがやってきて、中国語に堪能だったため、特に価値があるものばかりを数千点買い取ってパリに持ち帰りました。
こちらは唐代の「金剛経」と言います。なんと868年に「印刷」されたもので、現存する最古の印刷物の1つだそうです(,,゚Д゚) そして、これらの出来事を聞いた清政府はようやく莫高窟を保護して、資料を北京に持ち帰りました。
しかし、王円籙は一部を隠していて、その後に訪れた日本やロシアの探検隊に数百点を渡したそうです。
photo by:Xuan Che
ここで完全復活するかと思いきや、再び莫高窟は放置され、1949年に中華人民共和国が成立した後に、ようやくしっかりと保護されるようになりました。
現在は世界遺産にまでなっていますが、実は世界遺産の中でも指折りの場所なんです。というのは、世界遺産には6つの基準がありまして、どれか1つをクリアしなければいけません。そして、750に及ぶ世界遺産の中で「6つの基準を全て満たす場所」が3ヶ所だけあり、それが「ヴェネツィアとその潟」「泰山」、そして「莫高窟」なんですΣ(゚∀゚ノ)ノ
photo by:David Tansey
こちらは9階建ての楼閣にある弥勒菩薩像で、高さ35.6m。これは中国国内で3番目に大きな座仏像です。
以上になります。世界でも3本の指に入る世界遺産「莫高窟」。ぜひ行ってみてください(^^)
敦煌は日本語で予約出来る現地ツアーもあります。詳細はこちらからご覧ください。
■アジャンター石窟群(インド) |
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1000年以上忘れ去られていた石窟のため、信じられないほど色鮮やかな壁画が残されています。詳細は下記からご覧ください。 |
■エローラ石窟群(インド) |
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エローラ石窟群は、世界で唯一の「3宗教が混在する石窟寺院」で、アジャンター石窟群、エレファンタ石窟群と共にインド三大石窟の一つに数えられています。詳細は下記からご覧ください。 |
■アブシンベル神殿(エジプト) |
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エジプトが誇る石窟神殿で、ラムセス2世という強大な力を持つ王によって造られました。内部には素晴らしいレリーフが残されています。詳細は下記からご覧ください。 |
■ダンブッラの黄金寺院(スリランカ) |
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スリランカで最も保存状態の良い石窟寺院で、1991年に世界遺産に登録されています。山の頂上にあり、周辺には80以上の洞窟が確認されています。詳細は下記からご覧ください。 |
■雲岡石窟(中国) |
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「中国三大石窟」の一つに数えられていて、東西約1kmに及ぶ巨大石窟群が訪れたものを圧倒します。詳細は下記からご覧ください。 |
■麦積山石窟(中国) |
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巨大な岩山を利用して造られた石窟寺院で、岩壁に張り巡らされた桟道が有名です。また、近くにある「水簾洞石窟」も素晴らしいです。詳細は下記からご覧ください。 |
■龍門石窟(中国) |
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「中国三大石窟」の一つに数えられていて、高さ17mを超える盧遮那仏や、洛陽周辺でしか採れない「牡丹石」なども必見です。詳細は下記からご覧ください。 |
世界には他にも魅力的な遺跡がたくさんあります。興味のある方は「世界のすごい遺跡総特集」をご覧ください。当サイトで取り上げている場所の中から特にすごい91ヶ所を7つのエリアに分けてご紹介しています(^^)
航空便例 | ・日本-北京(約4時間)
・北京-敦煌(約3時間半) |
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ベストシーズン | 春~秋 |
外務省 | 海外安全情報 中華人民共和国 |
ガイドブック | ・中国のガイドブック |
ビザ | 15日以内の観光は不要。ビザ取得で30日まで滞在可。 |
パスポート残存期間 | 60日以上が望ましい。 |
時差 | ・全国共通で-1時間
・サマータイム:無し |
チップ | 無し |
日本への電話 | 00(国際識別番号)と81(日本の国番号)をつけて、市外局番(東京:03など)や携帯電話の090などの最初の0を取る。
例)03-9999-9999へかける場合 |
現地で使える中国語 | ②こんにちは。
你好.(ニーハオ)
③こんばんは。
④ありがとう。
⑤さようなら。
⑥はい・いいえ。
⑦~へ行きたい。
⑧これがほしいです。
⑨これはいくらですか?
⑩値下げしてくれませんか? |
電圧とプラグ | ・220V
・Oが基本でB、Cなどもある。 |
通貨 | 人民元(通貨コード:CNY/RMB、記号:¥)で、読み方は「Yuan」。補助通貨は「角(Mao)」と「分(Fen)」。1元=10角=100分。
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日本大使館 | ・HP |
中国の絶景一覧 |
アイコンをクリックすると「名前/写真/ガイド記事へのリンク」が表示され、リンクをクリックすると別ウィンドウで記事が開きます。グーグルマップを使用してリンクを貼っているため「リダイレクトの警告」が表示されるかもしれませんが、全て確実に当サイト内のリンク(http://tabinodaiziten.com~)なのでご安心ください。また、地図にアイコンが表示されていないときはページを更新してみてくださいm(_ _)m
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