クフナ・ウルゲンチは12世紀のホラズム・シャー朝の首都で、当時はシルクロードで最大の都市でした。チンギス・ハンの大虐殺後にも復興を見せましたが、アムダリヤ川の流れが北に変わったことで衰退していき、1370年代には放棄されてしまいました。多くの遺跡は半壊の状態ですが、それが逆にノスタルジックな風情を感じさせてくれます(^^)
また、トルクメニスタンは鎖国体制の特殊な国なので、入国や観光の方法が他の国とは異なります。そこを知りたい方は「入国とビザ取得の方法」というページをご覧ください。
「クフナ・ウルゲンチ」徹底ガイド:目次
1・拠点の街・最寄り空港・宿泊・通貨
2・ヌクスからクフナ・ウルゲンチへの国境超え
3・クフナ・ウルゲンチの見どころ一覧
4・テュラベク・ハヌム廟
5・セイト・アフメット・モスク
6・クトゥルグ・ティムールのミナレット
7・イル・アルスラン廟
8・キャラバンサライ・ゲート
9・中東・中央アジアのすごい遺跡
10・観光の基本情報
グーグルマップを多用しているので通信環境の良い状態でご覧ください。マップの画面が黒くなっていたり、前後の文脈と合ってないなと感じたときは、ページを更新してみてくださいm(_ _)m
クフナ・ウルゲンチはウズベキスタンとの国境に位置し、ヒヴァやブハラほどの規模ではありませんが歴史的な建造物が立ち並んでいます。「旧ウルゲンチ」という意味で、ウズベキスタンのウルゲンチが「新ウルゲンチ」です。人口は約3万人。
最寄りの空港はヌクス空港(NCU)。国内外合わせて3都市に就航しています。最新の就航路線はこちら。格安航空券はこちらです。
宿はこちら。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)
通貨はマナト(通貨コード:TMT、記号:m)で、補助通貨は「テネシ(tennesi)」。1マナト=100テネシで、本日のレートはこちら。
ヌクスから、ウズベキスタン側の国境の町・ホジェリに行って出国審査をすませ、トルクメニスタンに入国し、クフナ・ウルゲンチへ行くという流れですε=ε=ヽ(*・ω・)ノ
■ヌクスのバスターミナル
バスステーションはヌクスのセントラルマーケット近くにあります。ここからホジェリの「Gone-kala」というバスステーションへ行きます。
■ヌクス~ホジェリのバス
・「5番」「9番」のバス
・所要時間:30分
・料金:1200スム(約12円)
■ホジェリから国境まで
・タクシーのみ
・料金は12000スム
ヌクスから国境までタクシーで一気に行く場合は、所要時間約30分、料金は50000スムです。
ウズベキスタン側は比較的楽に出国できます。特にビザがいらなくなってからは、日本人だと容易に通過できるようになったみたいです(^^) トルクメニスタン側は相変わらずで、荷物を全部見せたり薬の説明をしたりします。少しずつ門戸が開かれてきてはいますが、まだまだ鎖国中なので仕方ないですね。長いと約1時間かかります。
国境を超えたらクフナ・ウルゲンチまではタクシーになります。所要時間は約15分、料金は20マナトです。トルクメニスタンには闇レートがあり、1ドル=18マナト(2020年時点)なので140円くらいですね。タクシーに乗る段階でマナトを持っていないとしたら、ドライバーに言って、どこかで両替させてもらってください。
クフナ・ウルゲンチには多くの見どころがありますが、ここは外せないという5ヶ所を厳選しました。全て同じ道路沿いにあって、タクシーですぐに回れます。アイコンをクリックすると名前と写真が表示されます。
1370年に造られた霊廟で、比較的美しい姿を残しています。ドームは2重になっていて、内側のドームの装飾にはペルシャから伝わったモザイクタイルの技術が使われています。これは中央アジアでは初めてのことでした。
365個に及ぶ金色の点は星を表していて、ドームの下の12個の小窓は1月~12月を、建物の4つの扉は四季を表しています。画面をグルっと回して周囲を見てみてください。
「テュラベク」はジョチ・ウルス国王の娘の名前で、「ハヌム」は「~さん」という意味なので「テュラベクさんの墓」ということです(^^) 内部にある地下道はテュラベクさん用と推測されています。
photo by:Hans Birger Nilsen
テュラベク・ハヌム廟から南西に200mほど離れた場所にあります。クフナ・ウルゲンチも13世紀にはモンゴル帝国の征服を受けました。その際にホラズム・シャー朝を滅ぼしたモンゴルのハーン、セイト・アフメットの墓です。
棺の周囲を7回周ると、メッカに行くのと同じ効果があると言われていますΣ(゚∀゚ノ)ノ 保存状態の良さが外観からも分かります。
クワラズミア王朝時代の1011年に建てられたミナレットで、高さは60m。これは中央アジアで最も高いミナレットです。直径は12mで上に行くほど細くなるのですが、実は西に1.5mも傾いていますΣ(・∀・;)
先端には16世紀の大地震後に補修された箇所もあり、また大きな地震が来たら崩れてしまう可能性もあるので、見たい人は早めに行くのがオススメです。
面白いのは入り口が7mも上にあることですΣ(゚∀゚ノ)ノ 昔はモスクが併設されていた関係で、このようになっているそうです。また、ここには井戸がありまして、今も枯れること無く湧き出しています。「幸せの井戸」と呼ばれていて、飲むと幸せになれるそうです。遠くから見ると、まさに古代世界のランドマークという感じがします。
小ぢんまりとしたカワイイ霊廟で、ブハラやヒヴァにあったら埋もれてしまいますが、周辺に何もないクフナ・ウルゲンチだと、なんとも風情があります。イル・アルスランはホラズム・シャー朝の安定期を支えた王様で、この王の死後に国は2つに分かれてしまいました。クフナ・ウルゲンチでは最古の霊廟で、屋根が特にかわいらしいです(^^)
14世紀頃に造られたとされている門で、キャラバン隊の宿の入り口だったのではないかと推測されています。色々な装飾が施されていて、高さも10mほどあるので迫力があります。こんな巨大で立派な門だけが荒野の中に残されているのがロマンをあおります。
以上になります。クフナ・ウルゲンチはスルーしてしまう人も多いですが、とにかく車ですぐに回れてしまう場所ので、ぜひ行ってみてください(^^)
■バーミヤン(アフガニスタン) |
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中国の楽山大仏に次いで世界で2番目に大きな磨崖仏でしたが、タリバンによって破壊されてしまいました。詳細は下記からご覧ください。 |
■ジャムのミナレット(アフガニスタン) |
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12世紀に造られたミナレットで、高さはなんと60mにもなります。同じページに載せておりますので下記からご覧ください。 |
■神殿の丘周辺(イスラエル) |
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ユダヤ教・キリスト教・イスラム教全てにおいて極めて重要な聖地で、世界史の中心地とも言える場所です。詳細は下記からご覧ください。 |
■マサダ(イスラエル) |
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中東のシーギリヤ・ロックともいうべき岩山で、頂上には宮殿の跡が残されています。詳細は下記からご覧ください。 |
■ウルのジグラット(イラク) |
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メソポタミア文明を代表する巨大建築物で、紀元前3000年頃から造られるようになりました。詳細は下記からご覧ください。 |
■マダイン・サーレハ(サウジアラビア) |
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「サーレハの町」という意味で、ナバタイ文明最大の遺跡と言われています。詳細は下記からご覧ください。 |
■ネムルト山(トルコ) |
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標高2000mを超える山頂部分に「頭部だけの像」がたくさん並んでいます。日本では知名度が低いですが、サンライズやサンセットの名所で世界中から多くの旅人が訪れます。詳細は下記からご覧ください。 |
■ペトラ(ヨルダン) |
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古代ナバタイ人の都だった場所で、紀元前1世紀頃から約200年かけて建設されました。詳細は下記からご覧ください。 |
世界には他にも魅力的な遺跡がたくさんあります。興味のある方は「世界のすごい遺跡総特集」をご覧ください。当サイトで取り上げている場所の中から特にすごい91ヶ所を7つのエリアに分けてご紹介しています(^^)
航空便例 | ・日本-タシュケント(約9時間)
・タシュケント-ウルゲンチ(約2時間半) |
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ベストシーズン | 春と秋 |
外務省 | 海外安全情報 トルクメニスタン |
ガイドブック | 中央アジアのガイドブック |
ビザ | 観光ビザは旅行会社を通す。トランジットビザは隣国の大使館で取得する。 |
パスポート残存期間 | 出国時6ヶ月以上。未使用査証欄1ページ以上 |
時差 | -4時間(サマータイム無し) |
チップ | 基本的に不要 |
日本への電話 | 8-10(国際識別番号)と81(日本の国番号)をつけて、市外局番(東京:03など)や携帯電話の090などの最初の0を取る。
例)03-9999-9999へかける場合 |
現地で使えるトルクメン語 | ①おはよう。
Salam. (サラム)
②こんにちは。
③こんばんは。
④ありがとう。
⑤さようなら。
⑥はい・いいえ |
電圧とプラグ | 220-240V
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通貨 | マナト(通貨コード:TMT、記号:m)で、補助通貨は「テネシ(tennesi)」。1マナト=100テネシ。
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日本大使館 | ・HP |
トルクメニスタンの絶景一覧 |
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