「ヤップ島」徹底ガイド 【旅の大事典】

 

ヤップ島は戦時中に日本が統治した島なので、日本とは深い関わりがあります。観光では戦跡巡りのほか巨大な石貨が有名で、現在も財産としてみなされています。また、海は大量のマンタが舞う世界トップクラスのダイビングスポットとして知られています(^^)

 

 

「ヤップ島」徹底ガイド:目次

グーグルマップを多用しているので通信環境の良い状態でご覧ください。マップの画面が黒くなっていたり、前後の文脈と合ってないなと感じたときは、ページを更新してみてくださいm(_ _)m

 

ヤップ島ってどんな場所?

■ミクロネシア連邦全体図
ヤップ島の見どころとダイビング
※拡大できます

 

ヤップ島(赤)はミクロネシア連邦(=カロリン諸島)の一部で、行政区画的にはヤップ州(緑)に属します。州の西端に位置していて、東端のサタワル島(青)とは約1000kmも離れていますΣ(゚∀゚ノ)ノ

 

■ヤップ州の全体図
ヤップ島の見どころとダイビング
photo by:Aotearoa ※拡大できます

 

ヤップ州は4つの島と130もの環礁からなっているのですが、環礁も島同様に人が住める規模のものが多く、合わせて22の島に人が定住しています。この広大なヤップ州の州都がヤップ島で、本島を含めた4つの島の総称です。面積は約100km²で、神奈川県の横須賀市や兵庫県の宝塚市に相当します。

 

■ヤップ島全体図
ヤップ島の見どころとダイビング
photo by:Aotearoa

 

島全体で約100の村があり、人口は約11300人。中心地は空港のある「コロニア」で観光の玄関口として機能していますが、普通の村は伝統的な生活を守っていて勝手に入ることは出来ないので注意してください。

 

コロニアの中心部にある「Yap Living History Museum」ではヤップ島の歴史や伝統を学ぶことができます(^^) 画面をグルっと回して周囲を見てみてください。

 

 

ヤップ島の住居は木とヤシの葉で造られていて、中は広い部屋が1つあり、台所は外に設置されているのが一般的です。

 

 

歴史的には、16世紀にスペインが発見して植民地にしました。20世紀初頭にはドイツに売却されましたが、第一次世界大戦で勝利した日本がドイツから譲り受けます。そこから終戦まで日本が統治したので、戦争の面影が色濃く残されています。

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

ミクロネシア連邦全体で英語教育がなされているため広く英語が通じます。また、通貨はUS$が採用されています。ATMやクレジットカードは使えないことが多いため、US$の現金を持っていくのが一番確実です。

 

移動はタクシーかレンタカーになりますが、私有地がとても多いのでレンタカーは現地ガイドが不可欠です。タクシーはメーターではなく交渉制なので、宿で最新の相場を確認してください(^^)

 

 

拠点の町・最寄り空港・宿泊・通貨

ヤップ島の見どころとダイビング 
photo by:amanderson2

 

拠点の町はコロニア。ミクロネシア連邦ヤップ州の州都で、スペインが統治していた1885年に造られました。同じミクロネシア連邦のポンペイ州のコロニアと間違えないように注意してください。人口は約9千人。

 

最寄りの空港はヤップ国際空港(YAP)。グアムとのみ就航しています。最新の就航路線はこちら格安航空券はこちらです。

 

宿はこちら。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)

Booking.com

 

通貨はUSドル(通貨コード:USD、記号:US$)を使っていて、補助通貨は「セント(¢)」。1USドル=100セントで、本日のレートはこちら。

 

 

 

空港から市内への移動

ヤップ島の見どころとダイビング 
photo by:David Weekly

 

空港は市内中心部から南西に約6km離れています。市内への移動方法は宿の送迎サービスが一般的です。

 

 

戦争の跡

ヤップ島の見どころとダイビング

 

チューク諸島もそうですが、ヤップ島も太平洋戦争の舞台となったので、島には無数の戦跡が残されています。上記のとおり第1次世界大戦でヤップ島を得た日本は、第2次世界大戦に入ると、約4400人の陸軍と約1500人の海軍を駐屯させました。

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

島にはゼロ戦などの戦闘機や高射砲が残されていて、錆びついた様子が非常にフォトジェニックです。日本軍のものだけでなく、アメリカ軍の戦闘機などもあります。

 

 

こちらは「ジョセフ・E・コックス少尉(Ens. Joseph Cox)」の戦闘機です。1944年6月に空母から飛び立ち、日本軍の高射砲に撃墜されました。これらを巡る際はツアーに参加してガイドさんから説明を受けるのが良いと思います(^^)

 

 

石貨

ヤップ島の見どころとダイビング

 

ヤップ島の代名詞が石貨です(,,゚Д゚) 20世紀半ばまでは約13000個が存在していたとされていて、現在は半分ほどになっています。島の至るところにあり、ホテルや観光地にはオブジェとしてたくさん飾られています。

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

大きさは60~100cmがほとんどですが、中には3~4mに達するものもありますΣ(゚∀゚ノ)ノ それだけでもスゴいですが、実は造られたのはヤップ島ではないんです。なんと約500kmも離れたパラオで造られて運ばれたことが分かっています。

 

■パラオのカープ島にある石貨
ヤップ島の見どころとダイビング

 

造られ始めたのは500~600年前と見られていて、現地にはこんな伝説が残っています。

ヤップ島の見どころとダイビング

 

~あるとき、漂流したヤップ人の一団がパラオにたどり着いた。そこで石灰岩を発見し、削りやすい材質であることが分かると、リーダーは部下に「ライ(クジラの意)」を削り出すように命じた。しかし、あまりに大変だったため、部下は円形に削り、真ん中に穴を空けて棒で担げるようにした。

 

ヤップに戻ると、一人の漁師が自分も石貨を造りたいと考えパラオを目指した。とても遠くて漁師の船では不可能と思われたが、蝶の神秘的な力を借りて無事往復に成功した。ここから石貨は「蝶の石」と呼ばれるようになった。~

 

現地では今も石貨を「ライ」と呼んでいます。「こんなデカイもの、どうやってお金として使うんだろう…」と思ってしまいますが、普段遣いする貨幣ではなく、彫刻や絵画、または外車や高級家具のような「財産価値のある品」と考えると分かりやすいです(^^)

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

19世紀後半になると、欧米人に石貨文化が知られるようになりました。もちろん欧米では何も価値はありませんが、「石を削っただけのものが、ヤップ島で高い価値を持つ」ということに気づいた人々が、「パラオで石貨を造り、ヨーロッパでも価値のあるものと交換してもらう」という方法を思いつきますΣ(・∀・;)

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

最も有名なのがアメリカ人のデービッド・ディーン・オキーフで、彼はパラオに機械を持ち込んで大量に製造し、ヤシの実の胚乳を乾燥させた「コプラ」と交換しました。コプラは良質の脂肪をたくさん含んでいて、現在でもマーガリンの原料などに使われています。石貨の原価は0に等しいですから、本人は笑いが止まらなかったのではないでしょうか(^^;)

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

ただ、彼が大量生産した石貨は、現在では価値が低いものとされています。手作りされた価値の高い石貨は、現在でも不動産や家の売買において財産として計算され、結婚式の際の贈答品などにも使われています。

 

 

こちらは「ストーン・マネー・バンク」と呼ばれる場所で、道の端に石貨が並ぶ圧巻の光景が広がっています(,,゚Д゚) ヤップ島では、他にも貝や布など4種類が通貨として価値を持っています。

 

 

スキューバダイビング

ヤップ島の見どころとダイビング

 

そして、ヤップ島で最も人気のアクティビティがスキューバダイビングです。魚影が濃く、地形なども魅力ですが、とにかくヤップと言えばこちら。

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

マンタです♪「ゴフヌーチャネル」や「ミルチャネル」など、マンターのクリーニングステーションが複数あるため、年間を通して安定的にマンタと遭遇できます。しかも、1ダイブで数匹は当たり前で、ときには10匹以上も現れますΣ(゚∀゚ノ)ノ

 

ヤップ島の見どころとダイビング

 

水温や平均気温は27度前後と常夏で、5月~10月が雨季、11月~4月が乾季です。特に2月~5月は繁殖期になるため、マンタが集まり活発に動きます。一番スゴいのは大潮のあとで、いわゆる「ぐるぐるマンタ」が見られる可能性もあります(*´ω`*)

 

 

以上になります。巨大な石貨が残り、マンタが舞うヤップ島。ぜひ行ってみてください(^^)

 

 

世界のすごい島

■バリ島(インドネシア)

言わずとしれた世界的なリゾート地で、現在は「スイング」が大ブームになっています。詳細は下記からご覧ください。

「バリのスィング総特集」徹底ガイド

■カンガルー島(オーストラリア)

オーストラリアでも有数の「野生動物と触れ合える場所」として知られています。また、大自然が造り上げた芸術作品ともいえる奇岩群は必見です。詳細は下記からご覧ください。

「カンガルー島②フリンダーズ・チェイス国立公園」徹底ガイド

■セントマーチン島(オランダ・フランス)

南がオランダ領、北がフランス領という島で、テレビなどで一度は見たことがある、飛行機が地上スレスレの高さを飛ぶビーチがあります。詳細は下記からご覧ください。

「マホビーチ」徹底ガイド

■ニューファンドランド島(カナダ)

バイキングが入植した北米最初の土地で、世界トップクラスの壮大な自然が広がっています。また、タイタニック号が沈没した海域に近いことでも知られています。詳細は下記からご覧ください。

「ニューファンドランド島①アクセスと概要」徹底ガイド

■ザンジバル島(タンザニア)

タンザニアの東に浮かぶ島で、美しすぎる海と、岩の上に造られたレストラン「ザ・ロック」が特に有名です。詳細は下記からご覧ください。

「ザ・ロック」徹底ガイド

■海南島(中国)

「中国のハワイ」と呼ばれる海南島は、世界最大の観音像やコスタリカを思わせる大規模なエコパークなど、たくさんの見どころがあります。詳細は下記からご覧ください。

「三亜」徹底ガイド

■イースター島(チリ)

太平洋上に浮かぶ絶海の孤島で、巨大な石像「モアイ」があまりにも有名です。詳細は下記からご覧ください。

「イースター島①アクセスとハンガロア村」徹底ガイド

■タヴェウニ島(フィジー)

photo by:Paul Lenz

「最もフィジーらしい」と称される島で、かつて日付変更線が通っていたことで有名です。また「世界のすごいダイビングスポット50」に選ばれるほどの世界的なダイブサイトでもあります。詳細は下記からご覧ください。

「タヴェウニ島」徹底ガイド

■ボホール島(フィリピン)

フィリピンで10番目に大きな島で「チョコレーオヒルズ」や世界最小のメガネザル「ターシャ」などで有名です。詳細は下記からご覧ください。

「ボホール島②チョコレートヒルズ」徹底ガイド

■キジ島(ロシア)

キジ島は木造の巨大建築物であるプレオブラジェンスカヤ教会などが有名で、それらの教会は世界遺産に登録されています。詳細は下記からご覧ください。

「キジ島②観光の見どころ」徹底ガイド

 

世界には他にも魅力的な島がたくさんあります。興味のある方は「世界のすごい島&諸島総特集」をご覧ください。当サイトで取り上げている場所の中から特にスゴい83ヶ所を6つのテーマに分けてご紹介しています(^^)

 

 

観光の基本情報

航空便例 ・日本-グアム(約3時間半)

・グアム-ヤップ(約1時間半)

ベストシーズン 2月~5月
外務省 海外安全情報 ミクロネシア
ガイドブック ミクロネシア連邦のガイドブック
ビザ 30日以内の滞在は不要
パスポート残存期間 入国時120日+滞在日数
時差 ・チューク州・ヤップ州:+1時間

・ポンペイ州・コスラエ州:+2時間
・サマータイム:無し

チップ 不要
日本への電話 011(国際識別番号)と81(日本の国番号)をつけて、市外局番(東京:03など)や携帯電話の090などの最初の0を取る。

例)03-9999-9999へかける場合
011+81+3+9999-9999

公用語 英語
電圧とプラグ 120V

コンセントタイプ
コンセントタイプ

通貨 アメリカ合衆国・ドル(通貨コード:USD、記号:US$)で、補助通貨は「セント(¢)」。1USドル=100セント。

 

日本大使館 HP

ミクロネシア連邦の絶景一覧

バヌアツの絶景

 

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