ムザブの谷への行き方と見どころ

 

ムザブの谷は、アルジェリアの砂漠地帯の中に突如現れる5つの町の総称で、世界遺産にも登録されている不思議な建築物の数々が旅人をひきつけてやみません。近くに空港があるので実は簡単に行くことが出来ます(^^)

 

 

「ムザブの谷」徹底ガイド:目次

グーグルマップを多用しているので通信環境の良い状態でご覧ください。マップの画面が黒くなっていたり、前後の文脈と合ってないなと感じたときは、ページを更新してみてくださいm(_ _)m

 

 

拠点の街・最寄り空港・宿泊・通貨

 

 

拠点の街はガルダイア。ガルダイア県の県都で、中世の建築が多数残っているため観光客に人気です。ムザブの谷の中心にあり、チュニジアのガベスと舗装道路でつながっています。人口は約10万人。

 

最寄りの空港はガルダイア・ヌメラート空港(GHA)。国内の5都市に就航しています。最新の就航路線はこちら格安航空券はこちらです。

 

宿はこちら。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)

Booking.com

 

通貨はディナール(通貨コード:DZD、記号:DA)で、補助通貨は「サンチーム」ですが使われていません。1ディナール=100サンチームで、本日のレートはこちら。

 

 

 

空港から市内への移動

 
photo by:Sm105

 

空港は市内中心部から南東に約25km離れています。市内への移動方法はタクシーになりまして、所要時間は約30分です。ただ、ムザブの谷はどの町もガイドがいないと入ることすらできません。あらかじめツアーを手配しておくか、宿に連絡して迎えを頼む必要があります。

 

 

アルジェから陸路で行きたい場合、車で8時間ほどなので行けないことは無いのですが、外国人は警察に護衛を頼まなければいけません。面倒なので飛行機を使うのがオススメです。

 

 

ムザブの谷の概要

・赤:ガルダイア
・緑:メリカ
・青:ベニ・イスゲン
・紫:ブヌラ
・黄:エル・アットゥフ

 

ムサブの谷は北西から南東にかけて延びていて、新石器時代から人々が洞窟で暮らしていました。11世紀頃になると、異端視された「イスラム清教徒」と呼ばれる人々が、長い流浪の末に谷に住み着きます。

 

彼らは「ガルダイヤ(Ghardaia)」「ベニ・イスゲン(Beni Isguen)」「メリカ(Melika)」「ブヌラ(Bou Noura)」「エル・アットゥフ(El Atteuf)」という5つの町を造りました。

 

「ムザブの谷」徹底ガイド 【旅の大事典】

 

その後、18世紀頃にキャラバンの寄留地として発展していきましたが、19世紀末にはフランスの植民地となり、この頃に灌漑設備が発達しました。丘の上のモスクを中心に、四角い家が同心円状に並ぶ様は唯一無二のもので、上から見ると非常に面白いことになっています。

 

 

「…ん?なんだこれ?屋根が無いのか?」と思いますよね。

 

この地域の伝統的な住居は屋上に必ずテラスが設けられるのですが、砂や日差しを避けるために壁が高くなっているんです。そのため上から見ると、あたかも屋根が無い家が並んでいるように見えるんです(,,゚Д゚)

 

 

おままごと用のオモチャの家が並んでいるようですね(^^) 町は壁に囲まれていて、異教徒はガイド無しでは中に入ることもできません。中には今もイスラムの戒律を厳格に守っている人々が暮らしていて、その町並みや文化は中世にタイムスリップしたかのようです。

 

特に象徴的な光景がこちら。

 

 

片目だけを外に出し、真っ白いアバヤを風にたなびかせながら路地に入っていく女性たちの姿は、さながら映画のワンシーンのようです(,,゚Д゚)

 

ムザブの谷への行き方と見どころ
photo by:Stefan Krasowski

 

これは既婚女性の服装で、未婚女性は顔を出しています。いずれにせよ女性を正面から撮影することは禁止されているので注意してください。一帯は1982年に世界遺産に登録されています。

 

 

谷の見どころ

 

最初の見どころは「ムサブの首都」と言われるガルダイアです。丘の麓には市場(Ghardaia market)が広がっていて、名産の絨毯や伝統的工芸品が並んでいます。18世紀頃にはキャラバンの寄留地になり、塩・ナツメヤシ・家畜・奴隷などの交易が行われ発展しました。

 

ムザブの谷への行き方と見どころ

 

こちらが丘の上のモスクです。モスクというとトルコやイランなどのドームがあるモスクをイメージしますが、アフリカには泥を原料にした日干しレンガで造られたモスクが多く、独特の曲線美が見るものを惹きつけます。ミナレットは13世紀に造られたもので、高さは26mもありますΣ(゚∀゚ノ)ノ

 

ムザブの谷への行き方と見どころ
photo by:Francis Tack/© UNESCO

 

続いてメリカにある「聖人シディ・アイサの墓」です。真っ白なミナレットが添えられていますが、独特な曲線が印象的です。

 

ムザブの谷への行き方と見どころ

 

こちらはエル・アットゥフにある「シディブラヒム(Sidi brahim)」というモスクです。シンプルなつくりながら700年の歴史があるそうで、日本でいう鎌倉時代から残っている建物と考えるとスゴイです(^^;)

 

ムザブの谷への行き方と見どころ

 

ムサブの谷のモスクやミナレットは「祈りの場」であるという基本に忠実に造られているので、余計な装飾が一切ない簡素な造りになっています。しかし、それが逆に他にはない美しさとして人々の心をとらえます(,,゚Д゚)

 

この曲線や光の取り入れ方に影響を受けたのが、モダニズム建築の巨匠と言われたル・コルビュジエでした。彼は曲線を上手く自分の建築に取り入れて、代表作の「ノートルダム・デュ・オー礼拝堂」(フランス)を完成させます。

 

ムザブの谷への行き方と見どころ
photo by:Wladyslaw

 

谷の周辺には砂漠が広がっていて、セブセブ砂丘への1泊2日ツアーなども行われています。宿泊は遊牧民のテントで、夜には伝統料理を味わうことができます(*´﹃`*)

 

■セブセブ砂丘
ムザブの谷への行き方と見どころ
photo by:Yelles

 

また、ムサブの谷の町中では運搬などでロバが活躍しているので、おとぎ話の世界のような光景も見ることが出来ます(^^)

 

ムザブの谷への行き方と見どころ

 

 

オアシスホテル

 

 

ガルダイアから南西に約9km離れた場所にある「アグレーンパラダイス」というホテルで、ムザブの伝統的な町並みが再現されています。詳細はこちらからご覧ください。

 

 

以上になります。世界最高レベルに神秘的な「ムザブの谷」。ぜひ行ってみてください(^^)

 

日本語で予約出来る現地ツアーもあります。詳細はこちらからご覧ください。

「ムザブの谷」徹底ガイド 【旅の大事典】

 

 

世界の秘境の人里

島や諸島については「世界のすごい島&諸島総特集」をご覧ください。また「先住民族と触れ合える場所」については「ヒンバ族:徹底ガイド」のページなどに一覧を載せております(^^)

■ハバスパイ(アメリカ)

先住民のハバスパイ族が暮らす地域で、グランドキャニオンのサウスリムから西に約55km離れた場所にあります。美しい滝が複数流れる様子は、まさにアメリカンインディアンの聖地という感じです。詳細は下記からご覧ください。

「グランドキャニオン⑤ハバスパイ」徹底ガイド

■サン・イシドロ村(アルゼンチン)

そもそも秘境の「ウマウアカ渓谷」の中でトップクラスの秘境です。ウマウアカの町からバスで3時間かけて「イルーシャ村」へ行き、そこから3時間歩いてたどり着きます。詳細は下記からご覧ください。

「ウマウアカ渓谷③イルーシャ村&サンイシドロ村」徹底ガイド

■ラダック(インド)

かつて存在した「ラダック王国」の首都だった場所で、秘境中の秘境として旅人に人気があります。インドに属してはいますが完全にチベット文化圏なので、人々も大半がチベット民族です。詳細は下記からご覧ください。

「ラダック①アクセスと拠点の街」徹底ガイド

■中洞組(中国)

貴州省にあるミャオ族の村で、巨大な洞窟の中に約80人が暮らしています。詳細は下記からご覧ください。

「中洞組」徹底ガイド

■ラサ(中国)

チベット自治区の中心地で、鉄道の完成によって様変わりしてしまいましたが、それでも中国とは全く異なるルールが敷かれていて、十分に秘境といえる場所だと思います。詳細は下記からご覧ください。

「チベット自治区①アクセスと注意点」徹底ガイド

■ラルンガル・ゴンパ(中国)

東チベットの奥地にある仏教学院で、真っ赤な建物が敷き詰められた様子は世界一の奇景といっても過言ではありません。詳細は下記からご覧ください。

「ラルンガル・ゴンパ①アクセスと概要」徹底ガイド

■カリマバード(パキスタン)

一般的には「フンザ」の名前で知られていて、昔から旅人の間で「ナウシカの風の谷のよう」と言われています。「桃源郷」と称されるほど美しい土地で、日本とも縁があります。詳細は下記からご覧ください。

「フンザ②観光の見どころ」徹底ガイド

■ダリエン国立公園(パナマ)

photo by:gailhampshire

1980年代に「パンアメリカハイウェイ」という幹線道路の建設が中断されたため「政府の目が行き届かない地域」になり、中米屈指の秘境となっていきました。エンベラ族などが今も暮らしています。詳細は下記からご覧ください。

「ダリエン国立公園」徹底ガイド

■カナイマ村(ベネズエラ)

エンジェルフォールの拠点になる村で、セスナでないとアクセス出来ない秘境です。学校や幼稚園などもあります。詳細は下記からご覧ください。

「エンジェルフォール①カナイマまでのアクセス」徹底ガイド

 

世界には他にも魅力的な街や村がたくさんあります。興味のある方は「世界のすごい街や村総特集」をご覧ください。当サイトで取り上げている場所の中から、特にすごい151ヶ所を9つのエリアに分けてご紹介しています(^^)

 

 

観光の基本情報

航空便例 ・日本-ドバイ(約11時間)

・ドバイ-アルジェ(約7時間)
・アルジェ-ガルダイア(約1時間半)

ベストシーズン 4月~10月
外務省 海外安全情報 アルジェリア
ガイドブック アルジェリアのガイドブック
ビザ ビザ取得が必要
パスポート残存期間 申請時6ヶ月以上
時差 -8時間(サマータイム無し)
チップ 基本的には不要
日本への電話 00(国際識別番号)と81(日本の国番号)をつけて、市外局番(東京:03など)や携帯電話の090などの最初の0を取る。

例)03-9999-9999へかける場合
00+81+3+9999-9999

現地で使えるアラビア語 ①おはよう。

サバーフ ルハイル

 

②こんにちは。
アッサラーム・アライクム
マルハバン(午前中)
マサーウルハイリ(午後)

 

③こんばんは。
マサーウルハイリ

 

④ありがとう。
シュクラン

 

⑤さようなら。
マアッサラーマ

 

⑥はい・いいえ
ナアム・ラー

電圧とプラグ 220-240V

コンセントタイプ
コンセントタイプ
コンセントタイプ

通貨 ディナール(通貨コード:DZD、記号:DA)で、補助通貨は「サンチーム」(使われていない)。1ディナール=100サンチーム。

 

日本大使館 HP

アルジェリアの絶景一覧

アルジェリアの絶景

 

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