名称 |
テオティワカン
(Teotihuacan) |
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場所 | メキシコシティ
(Mexicocity) |
時差 | 14時間 |
時期 | 10~11月、2月~3月 |
テオティワカンはメキシコシティの北東約50キロにあり、紀元前300年から西暦700年頃まで繁栄した巨大都市です。最盛期には20万人もの人々が暮らしており、ティカルやモンテアルバンなど、様々な文明と関わりながら中米の中心都市としての機能を果たしていました。
しかし、この古代文明史上まれに見る巨大都市は突如衰退し、100年ほどの間に完全な廃墟と化します。そして12世紀になりメキシコ北部に住むメシカ人(のちのアステカ人)がこれを発見することになります。彼らはそこから50kmほど離れた地に「ティノチティトラン(のちのメキシコシティ)」を造って繁栄し、この遺跡を「テオティワカン=神々の都市」と呼んで崇拝しました。
テオティワカン文明は文字を持たなかったため(文字らしき絵文字は僅かに残されていますが)未だに多くが謎のままですが、同時期に栄華を極めたローマの都に劣らない規模と水準で繁栄したと言われています。
■目次
☆アクセス・拠点の町・最寄り空港・就航路線
☆テオティワカンの概要
☆ケツァルコアトルの神殿
☆太陽のピラミッド
☆月のピラミッド
☆ケツァルパパロトルの宮殿
☆ジャガーの宮殿
☆地下神殿(羽毛のある貝の神殿)
☆音と光のショー
☆気球ツアー
☆備考
拠点の街はメキシコの首都・メキシコシティ。人口は800万人を超える、中南米屈指の大都市です。
最寄りの空港はメキシコシティ国際空港(MEX)。国内外合わせて200都市に就航しています。就航路線を知りたい方は、こちらからご覧ください。
宿はこちらです。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)
メキシコシティ
日本人宿
■サンフェルナンド館
■ペンション・アミーゴ
個人で行く場合
①メキシコシティ内の「北方面バスターミナル」へ行きます。
バス、メトロ、タクシーなど、色々な方法で行けるので、宿のスタッフに宿から
一番早い方法を聞いてください。
②バスターミナルで「テオティワカン行き」を探してチケットを購入。
約1時間ほどで到着します。ターミナルはとても広くて、空港並みの検査が
あるので、時間に余裕を持って行動したほうが良いです(^^;)
バスは15分おきに出ています。
テオティワカンは中央を南北に貫く「死者の大通り」を中心に、3つのピラミッドと大小さまざまな神殿で構成されます。
駐車場は各ピラミッドの正面にありますが、観光客の多くは南北どちらかの端から入り、逆方向に向かい観光していき、入ってきた場所とは逆サイドから帰ります。
今回は南側から順にご紹介していきます。
南側の駐車場を降りると、大きなサボテンがお出迎え。メキシコシティでは感じられなかった“メキシコ感”を感じさせてくれます♪
チケットを購入し、入口から約100m歩きます。そこには土産物屋が並んでいます。遺跡の中にも土産物エリアがあるので、時間があれば、軽くここで相場をチェックするのもよいかもしれません。
南側の入口から入ると、まず現れるのが「ケツァルコアトルの神殿」です。四方を城壁に囲まれていて、二重構造になっているこの神殿は、1960年代まで発見されなかったため、保存状態が非常によく、美しい彫刻がみどころです。
ただ、実は上の写真はピラミッド前の「基壇」であり、奥の三角がケツァルコアトルの神殿になります。基壇の奥にもう一つ階段があり、そこから見ます。
「ケツァルコアトル」とは「羽毛に覆われたヘビ」のことで、中米では広く豊穣の神とされてきました。別名を「ククルカン」といい、春分と秋分に現れる「チチェンイツァ」のククルカンは、あまりにも有名です。
■チチェンイツァに現れるククルカン
さて、ケツァルコアトルの神殿は、高さ20m、基底が60m。テオティワカンでは最も小さいピラミッドです。西暦200年頃に完成したものの、約100年後には土で覆い隠されてしまったそうです。
覆い隠されたことも謎ですが、このピラミッドだけ、太陽のピラミッドや月のピラミッドと違い、表面が山ほどの彫刻に覆われていることも、大きな謎の一つです。
彫刻があるのは、例えば四角の部分です。アップにするとこんな感じです。
千数百年前に造られたものとは思えない保存状態ですよね。彩色の感も残っていて中米の数ある遺跡の中でもトップクラスの彫刻といえます。
ケツァルコアトルの神殿から約1km歩くと、ついにハイライトである「太陽のピラミッド」に到着します。
高さ65m、基底225mの巨大なピラミッドで、世界でも三番目に大きなピラミッドです。メキシコ国内では2番目に大きいです。
…そう!メキシコには、実はさらに大きなピラミッドがあるんです。ただ現時点では、ピラミッドと判明してはいるものの、ただの小山にしか見えないので、普通の観光客にはあまり知られていないんですね。その名も「チョルーラ」。こちらからご覧下さい。
■チョルーラ(写ってる部分は全てピラミッドです)
早く土が取り除かれて欲しいですね♪
さて太陽のピラミッドですが、嬉しいことに登ることができます。大きく4段階に分かれていて階段は全部で248段。22階建てのビルに相当する高さを登るのはなかなかにハードですが年配の方も登っているので、ぜひチャレンジしてみてください。頂上までの時間は大体20分です。ただ、テオティワカンは標高が高いです。約2300mの地点にあるので、無理だけはしないようにしてください。
では、とりあえず今ここで登って行きましょう♪
いざ真下に来ると、さすがの迫力です!
ちなみに、右から登って、左から降ります。一方通行なので注意してください。階段はかなり急ですが、ロープがあるので安心です。
疲れたらぜひ階段の途中で一休みしてください。そのときは必ず後ろを振り向くこと。どの高さからでも、どこを向いても絶景が広がります♪
上の写真の奥に見えるのが「月のピラミッドです」。テオティワカンにはこんな伝説が残っています。
~アステカの神々は4回に渡り世界を創ったがいずれも災害で滅んでしまう。5回目の創造を行うべくテオティワカンに集まった神々だが「太陽」をつくるためには神の内の一人が火に身を投げなくてはならない。候補になった2人の神は2つの丘(太陽と月のピラミッド)で断食を行い身を清め整えた。やがて2人は火に飛び込み太陽になるが、昼は2つの太陽が輝き、夜は暗闇になってしまったため、残った神々は片方の太陽に「ウサギ」を投げつけた。
するとその太陽はウサギ模様がつき、夜の世界をほのかに照らす月となった。
万事解決と思ったものの、いつまでたっても太陽と月は動かない。すると太陽は「自分に血が捧げられるまで動かない」と言い出した。こうしてテオティワカンでは、毎日人間が生け贄として捧げられることになった~
いかがでしたでしょうか。たわいもない伝説ですが、現地で思い出せば、きっと神秘的な心地が増すと思いますよ♪
さぁ、2段目についたら、次は2つに分かれた階段から3段目を目指します♪
さて、3段目についたら再び一休みしましょう。もうここはかなりの高さですよ♪
□で囲んだ場所が地上部分で、その左の黄色い服着た男性が立っているのが2階部分です。では、最後の階段を登って頂上へ行きましょう!
よいしょ…よいしょ…。ここまで来ると、結構疲れてるはずです。
4月や5月に行くと、下手すると脱水症状になる暑さと内容なので、水分補給をこまめにしてください。
よいしょ…よいしょ…。さぁいよいよ頂上です!
すでにたくさんの方たちがくつろいでいるので賑やかです。ふーっと息を整えたら、周りを見渡してください。
どこを向いても素晴らしい眺めです♪それと同時に、いかにテオティワカンが整然と区画整理されて造られた都市なのかを実感します。1500年以上も前にこれほどの都市が作られたと思うと、畏敬の念が自然と湧き出てきます。
もちろん、極めて高度な天文学知識によって造られたこのピラミッド。夏至の日に正面に建つと、太陽が奥の中心からのぼり、真上を通って、正面に沈みます。
現在、夏至の日には祭りが開催され、アステカの民に扮した方々がテオティワカンを埋め尽くし、力強い踊りを見ることができます。なかなか行けない場所ですから、可能なら夏至の日に行くといいと思います♪ブラジルのリオのカーニバルに匹敵するパワーを感じられる、世界でも数少ない場所の一つです。悩み事なんて吹っ飛び、人生観が変わるかもしれませんよ♪
■夏至の日のテオティワカン
テオティワカンは月のピラミッドから発展していったとされ、さまざまな宗教的儀式が行われてきた最も重要な建造物です。
高さ42m。基底は150m×140m。テオティワカンで2番目に大きなピラミッドです。こちらも4段階になっていて1段目まで登ることができます。登った先にはテオティワカンで最高の絶景が待っていますよ!それでは行きましょう♪
近づくと、こちらも壮大なスケールと造形美です…。1段目までしか登れませんが、その階段がなかなかハード♪
下から見るとこの通り。すっごい危ないので、ロープをしっかり握ってください。
そして、登りきったら振り向いてください!
これこそテオティワカンの代名詞と言える光景です。
中心には4kmに渡る「死者の大通り」。左には壮大な「太陽のピラミッド」。手前には「月の広場」があり「タルータブレロ様式」の基壇がならびます。これらの基壇上で神官が儀式を執り行ったと考えられていて、この広場が極めて重要な祭祀の場だったことがうかがえます。また、この中にはグアテマラの「ティカル」や、メキシコシティの「モンテアルバン」のものもあり、テオティワカンで行われた祭事に中米各地の都市国家が参加していたことが分かります。
「死者の大通り」は真北から東側に15度25分ずれています。前記した「夏至の日には、太陽のピラミッドの正面に太陽が沈む」ようにするためです。
また「死者の大通り」という名前は、あくまでも後世のスペイン人が付けたものなのですが、一説には「巨大な地震観測装置」とも言われています。
実際に歩くとわかるのですが、死者の大通りは壁で何区画かに分かれています。
例えばこの部分。区切られたことで四角くなっていますよね。ここに水が流し込まれて、巨大なプールになっていて、水の動きから地震の大きさや震源地などを計測していたというのです。真偽はまだ定かではありませんが、十分に可能性はあると思います。
月のピラミッドの西側にあります。ほぼ完全な状態まで復元されているため、色鮮やかで青空とのコントラストが見事です。
「ケツァルパパロトル」とは「羽毛に覆われた蝶」という意味。壁の至るところにこの彫刻があったため、神殿の名前となりました。彫刻の中に1つだけ目に黒曜石がはめられているものがあります。
テオティワカンを巨大文明へと押し上げた理由の一つが、この黒曜石とされています。当時、非常に高価だった黒曜石が産出するこの地をおさえることで、テオティワカンは莫大な富を手中にしたそうです。その高貴な黒色で、黒曜石は現在でもアクセサリーやパワーストーンとして愛されていますよね。
非常に美しく、テオティワカンの中でも、とりわけ「異空間」という感じがする場所なので、ぜひ行ってみてください♪
「ケツァルパパロトルの宮殿」の奥にあります。羽根飾りをつけたジャガーが「羽毛のある貝」のラッパを吹き、ラッパからは血か水らしきものが流れ出ています。テオティワカンでは「ほら貝」を吹くと雨が降ると考えられていました。そして、ここから「地下神殿」へとつながります。
「ジャガーの宮殿」の奥にあり、こちらも色鮮やかな絵や彫刻が残っています。
中でも写真のオウムと思われる鳥の絵は素晴らしいので、ぜひ足を運んでみてください。
テオティワカンでも「光と音のショー」が行われています。
ただ、雨季には行われず、乾季でも毎日行われてはいないので、事前に情報をチェックしてみてください。
2016年の場合、3月下旬~6月下旬までで、月・金・土の週3日開催されます。
7~9月の間は雨季のため中止で、10月初旬より再開されるようです。
ショーは18:30集合で、19:00~20:30の1時間半上映されます。定員は250名。多いように思えますが、世界的観光地なので、確実に見たい場合はツアー会社で予約をしておきましょう。解説はスペイン語のみです。
カメラの持ち込みは無料ですが、ビデオカメラは禁止されています。雨天の場合は中止されます。天気が怪しい場合は、事前に確認を取ったほうが無難です。
エジプトのピラミッドでもそうですが、観光客向けとは言え、一流のスタッフが手がけているので素晴らしいです。時間と予算に余裕があれば、ぜひ見てみてください♪
気球といえばトルコのパムッカレが有名ですが、嬉しいことにテオティワカンでも気球ツアーがあります。鳥やドローンでないと不可能な視点から見る遺跡は、また違った趣や発見がありますよ♪オススメです♪
いかがでしたでしょうか。メキシコが世界に誇る遺跡「テオティワカン」。
実はこの遺跡は人によって評価が分かれる遺跡でもあります。「やっぱりすごいな~」と思う人と「なんかつまらないな…」と思う人の2パターンです。
見方は人それぞれですが、確かに、ただの「オブジェ」としてみてしまうと、エジプトのピラミッドや、グアテマラのティカルのような満足感は無いかもしれません。整いすぎているためだと思います。
しかしやはり、その規模、芸術性、謎、神秘性は中米の遺跡では別格であり、知れば知るほど奥深い楽しさがある遺跡だと思います。さらに「音と光のショー」や「気球ツアー」などのオプションも充実してますし、さまざまなニーズに応えてくれる遺跡なので、ぜひ行ってみてください♪
日本語で予約出来る現地ツアーもあります。詳細はこちらからご覧ください。
また、Wi-Fiのレンタルも日本語で可能です。
メキシコに行く場合は、ぜひ水中カメラやハウジング付きデジカメを持っていってください。水中カメラやハウジングは一昔前は両方とも高かったですが、今ではすごく安くなってますからね。防水カメラはこちら。ハウジングはこちらからご覧下さい。
もし買う時間がなければ、写るんです的なカメラにも水中カメラはありますので、ぜひ持って行ってください。(簡易的なものだと深度に限界がありますので、確認してください)