腐海はいわゆる「ピンクレイク」のことで、ウクライナ南部とクリミア半島北部の間に広がっています。ただ、実は周辺にたくさんのピンクレイクがあって、その密集度は世界屈指です。こちらのページでは「腐海の概要」と「一番有名な湖へのアクセス」を中心にご紹介します。周辺のピンクレイクについては「腐海(シュワージュ)②」をご覧ください(^^)
「腐海(シュワージュ)①概要とヘニチェスク湖」徹底ガイド:目次
1・拠点の街・最寄り空港・宿泊・通貨
1-1:ヘルソン
1-2:シンフェロポリ
1-3:オデッサ
2・腐海の概要
3・①ヘニチェスク湖
3-1:ヘルソンからのアクセス
3-2:ヘニチェスク湖
4・観光の基本情報
ウクライナでは2022年にロシアとの紛争が起こってしまいました。渡航の際は必ず最新の情報を確認してください。
また、グーグルマップを多用しているので通信環境の良い状態でご覧ください。マップの画面が黒くなっていたり、前後の文脈と合ってないなと感じたときは、ページを更新してみてくださいm(_ _)m
ヘルソンは、南ウクライナにあるヘルソン州の中心地です。「ウクライナ人とロシア人が36%ずつ」で「ユダヤ人が25%」という人口構成になっています。人口は約28万3千人。
最寄りの空港はヘルソン国際空港。トルコのイスタンブールとのみ就航しています。最新の就航路線はこちら。格安航空券はこちらです。
宿はこちら。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)
シンフェロポリはクリミア半島の都市で、現在はロシアのクリミア共和国の首都とされています。半島内の交通の要所であり、シンフェロポリとヤルタをつなぐトロリーバスは世界最長のトロリーバス路線(約86km)として知られています。人口は約36万2千人。
最寄りの空港はシンフェロポリ国際空港(SIP)。国外の約30都市に就航しています。最新の就航路線はこちら。格安航空券はこちらです。空港から市内への移動は「スワローズネスト:徹底ガイド」をご覧ください。
宿はこちら。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)
オデッサはウクライナ第3の都市で「黒海の真珠」と呼ばれる美しい街です。「オデッサ・オペラ・バレエ劇場」「ポチョムキンの階段」「一枚壁の家」など見どころも多く、ウクライナきってのリゾート地として多くの観光客が訪れます。人口は約101万人。
最寄りの空港はオデッサ国際空港(ODS)。国内外合わせて約25都市に就航しています。最新の就航路線はこちら。格安航空券はこちらです。
宿はこちら。(地図に値段が表示されてない場合、拡大縮小してみてください)
通貨はフリヴニャ(通貨コード:UAH、記号:₴)で補助通貨はコピーカ (копійка)。1フリヴニャ=100コピーカです。本日のレートはこちら。
「腐海」は「ウクライナのピンクレイク」のことで、「シュワージュ湖(Sivash Lake)」「ロッテン海(Rotten Sea)」「レムリア湖(Lemurian Lake」など様々な呼ばれ方をしています。呼称が定まっていないのは下記の理由などが挙げられます。
・周辺はピンクレイクだらけで、それぞれ呼称があること。
・同じ湖に「本当の名前」と「町の名前+lake」の2通り呼称があったりすること。
・そこに総称や各地域での通称が加わること。
・それらに現地名と英名があること。
加えて、そもそもがロシア語かウクライナ語になるので、日本人にとっては情報収集が難しく、ハードルが高い旅行先になっています(^^;) まずは場所からご説明します。
今写っている部分全体が、一般に「腐海」と呼ばれる部分です。全長約200km、幅35kmで、総面積は青森県や岐阜県とほぼ同じ約1万km²にもなりますΣ(゚∀゚ノ)ノ 太古の昔から存在するのかと思いきや、実は850年前くらいに誕生したそうです。地理的には「アゾフ海の西岸に広がる干潟」で、このような位置関係です。
■黄:腐海/赤:アゾフ海
この黄色の部分が、現地の言葉で「泥」や「汚れ」を意味する「スヴァシュ」などと呼ばれていました。その英名が「シュワージュ(Sivash Lake)」であり、通称が「ロッテン海(Rotten Sea)」です。
では「レムリア湖(Lemurian Lake」は何かというと、衛星写真で一際ピンクになっている左上の湖のことです。
周辺には何も無くて、あたかも別な星に降り立ったかのようです(,,゚Д゚)
■レムリア湖
なら、ここへ行けば良いのかというと一概にそうではありません。上の衛星写真をよく見ると、どの湖も微妙に違う色をしていますよね。ピンクレイクと呼ばれる場所は世界に多々ありますが、大きく「塩湖」と「塩田」に分かれ、比較すると下記のようになります。
塩湖 | 塩田 |
---|---|
・自然の産物なので、より価値を感じられる
・色が薄いことが多い |
・人工物なので、湖よりは神秘性が下がる
・色が濃く、ピンク以外の塩田もある |
ピンクになる理由は、水中に生息する「ドナリエラ(Dunalliela)」という藻類が日光を浴びることで「ベータ・カロチン」という物質を出すからです。ニンジンに含まれていることで有名ですよね(^^) そのため、塩分濃度や水深が安定している「塩田」は色が濃くなり、「塩湖」は天気やシーズンに左右されます。
■腐海の塩田部分
「塩田」は通常「海の近くで、汲み上げた海水を利用し塩をつくる場所」を指します。「塩湖」は言わば「天然の塩田」なのですが、そこで塩の採掘が本格的に行われると、エリアを区切って塩分濃度を一定にしたりするので、色が安定して濃くなります。
ウクライナの場合、腐海を中心に広範囲にピンクレイクが点在していて、この3パターン(「海の近くの塩田」「塩湖」「塩湖を塩田にしている」)が全て存在しています。考え方としては「この一帯の湖や干潟は、季節や天気によって、どこもピンクレイクになりうる」という感じです(^^;)
では、具体的にどこに行けば良いのでしょうか。こちらをご覧ください。
主なピンクレイクをまとめました。実はクリミア半島南部やオデッサ方面にも点在しているので、広い範囲でみれば「黒海北部の沿岸にピンクレイクが集中している」という表現が適切かもしれません。
こちらのページでは、最も情報が多い①の「ヘニチェスク湖」についてご紹介します。残りの4つについては「腐海(シュワージュ)②」をご覧ください。
また、周辺を訪れる場合、2014年に起きた「クリミア併合」を知っておかなくてはいけません。詳細は「スワローズネスト:徹底ガイド」をご覧ください。
①ヘニチェスク湖
まず「ヘルソン」のバスターミナルから「ヘニチェスク」の町まで行きます。発音は「ジェニチェスク(gen-i-CHESK)」の方が近いです。
・1日10本程度
・所要時間:約4時間
・料金:200~250フリヴニャ
・公式HP
タクシーだと約2000フリヴニャ(約8600円)なので、「時間が無いけど予算はある」という方は、ヘルソンからタクシーチャーターで行ってしまうのもありかもしれません(^^;)
そして、町から湖までは基本的にタクシーになります。湖周辺に流しのタクシーはいないので、待機してもらうか、帰る時間を決めて迎えにきてもらう必要があります。
■タクシー
・所要時間:約20分
・料金:約150フリヴニャ(片道)
また、「マルシュルートカ(乗り合いバス)+徒歩」でも一応行くことができます。町から「Strilkove行き」に乗って「Henicheska Hirka」で下車し、湖まで歩きます。料金は約20フリヴニャ。位置関係はこちらです。
・赤:ヘニチェスクの町
・青:Henicheska Hirka
・緑:ヘニチェスク湖
・紫:Strilkove
ただ、下車してから約5kmあるので、あまりオススメできません。ロシア語が分かる海外のバックパッカー向けですね。彼らは最悪の場合、ホテルに電話して迎えに来てもらったりできますが、我々には厳しいですからね(^^;)
そして、ついに到着です。画面をグルっと回して周囲を見てみてください。
絶景ですねΣ(゚∀゚ノ)ノ すぐ後ろには青い普通の湖があるのがスゴいです。白い線が見えると思いますが、それが「塩田」として区切られている部分です。上記のとおり安定して濃いピンク色になっています。ちなみに、この湖だけでも色々な表記があります。
■ヘニチェスク湖(赤)
・ヘニチェスクの町の湖ということ
・英語:Heniches’k lake
・ロシア語:озеро Геничеське
・ロシア語読みを英語表記:Ozero Heniches’ke
■ロジェーヴ湖(緑)
・ロジェーヴ村の湖ということ。
・英語:Rozheve lake
・ロシア語:Рожеве озеро
・ロシア語読みを英語表記:Rozheve Ozero
■プリオゼルネ(青)
・土地の名前?
・英語表記:Pryozerne
・ロシア語:Приозерне
ロシア語で湖を「オゼロ」と言うんですね(^^;) 地上からの景色はこちら。
ピンクのウユニ塩湖ですね(*´ω`*) 基本的に晴天なほど濃いピンクになります。また、風が吹いて波が立つと、微生物が活発に動いて濃いピンクになることがあります。これらは世界中のピンクレイクで共通です。
こちらは乾季に入ってきて少し干上がっている状態で、幻想的なピンクの大地になっています。これも世界で共通ですが、完全に乾季になってしまうとピンクではなく白になってしまうので、少し水が残っているくらいのときがベストな状態です(^^)
海外の情報で「岸から見たときに必ずピンクになっているわけではない。でも、そこで帰らず湖の中に進んでいってほしい。湖は浅いので、どこまでも歩いていける。ある程度中に入っていくと、岸からは想像できないほどピンクになっていたりする」というのがありました。確かに内側は見事なピンクですね。
ベストシーズンは夏。ベストな時間帯は日差しが強くなる10時頃から正午にかけてです。海外の情報で「サンセット時は暗くなってしまいオススメではない」との情報もありました。こちらのストリートビューだとキレイですけどね。日によるんだと思います。
また、日本の情報で「夏は臭いがキツイ」というのがありましたが、海外の情報では全くありませんでした。
以上になります(^^) 続きまして「腐海(シュワージュ)②」をご覧ください。
航空便例 | ・日本-イスタンブール(約12時間)
・イスタンブール-ヘルソン(約1時間半) |
---|---|
ベストシーズン | 6月~8月 |
外務省 | 海外安全情報 ウクライナ |
ガイドブック | ウクライナのガイドブック |
ビザ | 180日間で90日以内の短期滞在はビザ不要 |
パスポート残存期間 | 帰国時まで有効なもの。未使用査証欄2ページ以上。 |
時差 | 夏:-6時間/冬:-7時間 |
チップ | レストランで1USドル程度 |
日本への電話 | 00(国際識別番号)と81(日本の国番号)をつけて、市外局番(東京:03など)や携帯電話の090などの最初の0を取る。
例)03-9999-9999へかける場合 |
現地で使えるウクライナ語 | ①おはよう。
Доброго ранку.(ドーブロボ ラーンク)
②こんにちは。
③こんばんは。
④ありがとう。
⑤さようなら。
⑥はい・いいえ。 |
電圧とプラグ | 220V
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通貨 | フリヴニャ(通貨コード:UAH、記号:₴)で補助通貨はコピーカ (копійка)。1フリヴニャ=100コピーカ。
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日本大使館 | ・HP |
ウクライナの絶景一覧 |
アイコンをクリックすると「名前/写真/ガイド記事へのリンク」が表示され、リンクをクリックすると別ウィンドウで記事が開きます。グーグルマップを使用してリンクを貼っているため「リダイレクトの警告」が表示されるかもしれませんが、全て確実に当サイト内のリンク(http://tabinodaiziten.com~)なのでご安心ください。また、地図にアイコンが表示されていないときはページを更新してみてくださいm(_ _)m
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